どの博士号を取るか?|専門分野による評価や価値の違い

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こんにちは。JON@u_rigakubuです。
閲覧ありがとうございます!

博士号を取得する専攻によって、肩書きに違いがあることはご存知でしたか?例えば、博士(医学)といったように、何の博士なのかが専攻によって決まります。1

1991年以降は、括弧つきで専門分野を博士の名称の後ろに付記する表記になり、博士(医学)のように示されるようになった。専攻分野の名称は大学により定められるとされているため、現在では様々な名称が用いられている。1991年以前からある学位の表記が変更されたもの(医学博士→博士(医学)、文学博士→博士(文学)、工学博士→博士(工学)など)以外にも、以下のように、様々な専攻分野の博士学位が授与されている。

Wikipediaより

では、専門分野の違いによって評価や価値の差はあるのでしょうか?今回は、博士の専門分野による違いについてお話します。

あなたは何の専門と思われたいか

「博士号を取得する=その道のプロとして認められる」ということです。

よって、そもそもあなたが何の専門家になりたいか?ということが、どの博士号を取るべきかということに直結します。これを第一に考えて学位を取る専攻を選びましょう。2基本的には今回のお話はこれがオチです。

また、それぞれの専門に対する期待や、その学位に対する評価というのには、一般的に求められるものがあります。要は、それぞれの学位ごとに、どのような能力があるのかをある程度客観的に証明できるという話です。

よって、それぞれの学位を取るなら、「その学位らしさ」のある専門知識を身につける必要があります。3

業績さえあれば関係ない

極論言ってしまえば、何の専攻であれ、業績が全てです。数・質共に優れた業績のある人間が高い評価を受ける。ただそれだけの世界です。4

持っている学位の違いにより、他人からどのような印象を持たれて評価をされていようが、関係ありません。そうはいうものの、迷ってしまうこともあるし、多くはそうではないということも理解しているつもりです。また、たまに学位の種類を選べる専攻とかもあって、困ったという話も聞きます。今回はそんな方の参考になればと思い、記事を書いています。

あるいは、それぞれの専攻に行けば、どんなことに詳しくなれるのか?という参考にしてください。

バイオ系で取得できる学位

細かい分類は大学毎にできると言うことなのですが、主要なところでは以下の6つでしょう。

  • 博士(医学)
  • 博士(薬学)
  • 博士(工学)
  • 博士(農学)
  • 博士(理学)
  • 博士(学術)

以下、それぞれに特徴を見ていきましょう。

博士(医学)に求められること

前回もお話しましたが、医者でなくても取得は可能です。しかし、博士業界では、医学博士=医療従事者が取るものというイメージが強いです。

よって、医学系には興味ないのに医学博士になると、肩書きが世の中のニーズと一致しないという残念なことになります。例えば、医学博士なのに病気のことが分かりませんという人は、あれっ?となる訳です。もちろん逆転可能なのですが、”らしさ”が重要です。

また、取りやすさもあいまって学位自体の価値は比較的低く見積もられて損という気もします。あくまで他と比べてです。どこで取ろうが当然きちんと評価はしてもらえますが、普通のバイオ系研究者は、選べるならあえて選ぶ必要はありません。

しかし、医療業界に興味があり、十分な知識もあるならその証明にはなるでしょう。また、お医者さんとのコネクションがあることも重要です。きっちりコネを作っておきましょう。

研究面ではいい研究室は多いですし、業績が出やすいラボもたくさんあります。なんせ金があります。研究テーマも社会のニーズにマッチしていることが多いです。MDではないバイオ系研究者は、このような研究面を求めて行くべきでしょう。

博士(薬学)に求められること

医学部とも似ていますが、薬剤師免許がない薬学博士は魅力半減です。というのも、当然薬学博士には薬の専門家であることが期待されるからです。

薬に関する最新の知見や動向などを知っているよね?ということを期待されます。面接などでもそのような側面を評価されることでしょう。そこで、薬全般にあまり詳しくないと、能力に疑問を持たれてしまいます。あるいは、別に他の博士でもいいよねってことになります。

研究能力だけだと、一般には合成系なら工学と農学、バイオ系なら農学や理学の人がライバルです。そこと差をつけるためには、やはり薬の知識で押すのが王道と言えるでしょう。

よって、薬に興味があり、薬を作りたいならとってもいいですが、それなら医学博士でもいいような気がします。

博士(工学)に求められること

工学系の”らしさ”とは何でしょうか?僕は工学とは遠いのであまり詳しくは分かりませんが、やはりバイオ以外の工学系の知識・人脈が期待されると思います。

せっかく工学専攻ならバリバリの基礎研究ではなく、応用寄りのことをしていると尚いいと思います。企業との共同研究の経験や、製品化や品質管理などに対する理解、機械工学、プログラミング、何でもいいので、学部からの専門知識を広げつつ、ゴリゴリのバイオ系と差別化を計ってくれることが期待されます。

博士(農学)に求められること

農学らしさはあまり求められていない気がしますよね。。個人的には、バイオ系なら理学博士、合成系なら工学博士と同じ評価になると思います。あと、農学部人脈を身につけましょう。

博士(理学)に求められること

理学系なら、研究に対する熱意と能力が求められます。自分の専門分野だけでなく、生命科学全般に対するより幅広い知識を持っていると、理学博士らしさにつながるでしょう。他の博士もみんなあると思うのですが、理学研究科ではより広さ、そして深さを期待されているように感じます。

しかし、就活を考えると理学博士はあまり研究のみを押し出しても仕方ないかもしれません。博士全体的にそうなのですが、理学博士は特にコミュニケーションできないやばいやつと思われています。笑

よって、アカデミア以外では、コミュ力があるし、会社で働くことに興味があるということを全力に押し出すことが求められます。研究力は主張せずともあって当然と思ってもらえます。

専門性があるし、その専門を生かしたい!ということを押しすぎると、じゃあ大学でやれば?となってしまいます。そこまで専門に拘るなら、大学をお勧めします。会社に入っても何もいいことないですよ。

博士(学術)に求められること

何?ってなりますね。本来だと、Doctor of Philosophy、つまりPh. Dのことを指すのですが、現在の日本では学際的な研究を行ったら取るような気がします。

専門がぱっと見で不明なので、名刺交換した際の「専門は何ですか?」と相手に質問してもらえることを除いて、あえて博士(学術)をとるメリットはあまり感じられません。余程自分は学際的である!と思うならとってもいいですが、どちらかというとイロモノ扱いされています。

まとめ

いかがでしたか?意外と博士と一口に言っても、博士号取得者や人事から見たら評価されるポイントが違うということをご理解していただけましたか?もし進路に迷ったら参考にしてもらえると幸いです。

ここまで述べたとおり、専攻ごとに確かに多少の価値や評価に違いはあります。しかし、博士はどこに行こうが業績勝負ですよ!興味の赴くままに全力で研究すれば良いだけのことです。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

  1. たまに自分で選べるところもあります。
  2. 逆に専門家になりたく無い、学位という免許だけ欲しいというなら、できるだけ楽な大学・専攻・研究室を選ぶということをしなくてはなりません。そのような志で理学研究科に来る人がたまにいるのですが、大抵は行方不明になります。理学研究科は、「本当に研究者になりたい」と思って来てこそ価値がありますよ!
  3. もちろん、後から逆転可能ですし、寄り道も大事ですが。。
  4. もちろんコミュニケーション能力も大事です。

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