こんにちは。JON@u_rigakubuです。
閲覧ありがとうございます!
前回はどの様な心構えで、実験を教わるか、そして教えれば良いかという話をしました。
今日は、実際にどの様に実験を進めていけば良いのかについてお話します。100人以上の学生を教えてきた僕の経験に基づく集大成になります。このポイントさえ守れば初心者でも実験を失敗しないはずです。
なぜ実験を失敗するのか?
実験がうまい人と下手な人がいます。うまい人は常に安定した結果を出す一方で、下手な人は何回やってもうまくいかないです。
なぜ実験がうまくいかないのか?それは、失敗しない方法を理解していないからです。正しい実験のコツ・原則理解せず、適当にやっているからです。
しかし、それは本人の能力がない訳ではありません。教え方・そして教わり方が悪いからうまくいかないのです。前回お話しした通り、きちんと教えてくれる人はなかなか出会うことができません。きちっと教えてもらい、そして、原則を理解した上で実験しましょう。1
実験うまい人は以下のことを無意識的にやっているんじゃないかというのが僕の結論です。あなたも以下の原則を守れば実験上手になれるでしょう。
実験前の注意点
1. 机の上をきれいにする
机の上に余計なものを置かず、十分なスペースを確保する。また紙の上にものを置いたり、机の端にものを置いたりしない。
実験が上手いか下手かは机を見れば分かるといううわさもあります!とにかく、整理整頓しておきましょう。
2. ベストな位置にものを配置する
取りやすさ等を考えて、毎回自分の決めたルールに従って同じ配置にものを置く。
何がベストかはよく考えてください。はじめのうちは何がベストなのかよく分からないと思うので、実験のうまい人のまねをするとよいと思います。
分子遺伝学実験をするなら、以下がおススメです。
- 複数の試薬を入れる時は、実験を始める前に取る順番に並べる。
- 試薬の蓋をあけたら、その上を手が通過しないように配置する。
- 右利きなら試薬は向かって左、チップは右、チップ捨ては右奥に置く。
実験中の注意点
3. 複雑な操作は避けるとにかく単純にする
できるだけ実験操作がシンプルになる様に実験をデザインする。
例えば、
- 同じ実験を繰り返すなら、試薬の入れる順番を常に一定にする。時によって変えない。
- pre-mixを作れる時は作る。
一般的には、ある製造過程において主体となる処理操作を容易にするために、事前に行う予備的な混合操作およびその混合物のことをいう。
premixとは何? Weblio辞書
4. 試薬を入れことを一目で分かるようにする
事前に順番に並べておいた試薬を、入れた後は隣の列にずらす。
ノートに表を作っておき、試薬を入れたらチェックする。
記憶に頼ろうとしていてはダメです。途中で話しかけられて意識をそらしても分かるように、きちっと操作を行ったかどうか分かる仕組みを作っておきましょう。
5. マイクロピペット操作はチップから目を離さず、基本3原則に忠実に(バイオ向け)
原則1: 液を吸う前、チップはきれいか確認(ちゃんと交換したか?先が机など、辺な所に触れていないか?)
原則2:液を吸った後、チップの先に空気が入っていないか確認
原則3:液を出した後、チップの先に液は残っていないか確認
上級者向けの、チップやエッペンの液の位置から考えて大体の量は正しいか?というのもある。
実験後の注意点
6. 100%正しかったか振り返る
そこでYesと思えない場合、実験は失敗したと思う。少しでも不安に思ったらやり直す。
逆に絶対大丈夫!と自信を持って言えるように、一つ一つの操作を気をつけて行いましょう。そして、どの様な操作をしたのか、きちんとノートに記録されているか確認しましょう。目安としては、10年後に振り返っても分かるように記録されているかどうかです。
7. どこがポイントだったのか理解する
実験操作において肝となる操作を理解する。どこを手を抜いて良くて、どこはきっちりする必要があるのか理解する。
前回も述べましたが、実験にはちょっとの操作やコツが重要だったりします。
何がダメでどうすればいいのかを理解しましょう。また、操作の意味をきちんと自分なりに理解する様にしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?ここまで、これさえ守れば実験がうまくいく!というコツをお話ししてきました。
これまでなんとなく実験をしていたなら、ぜひなぜ自分の実験がうまくいくのか?を自覚しながら操作するようにしましょう。そうすると、ますますあなたの実験技術は向上します。
本記事を参考にして頂き、一人でも多くの方が実験上手になってもらえたら嬉しいです!
- と言うことで、実験がうまくなりたいなら、ぜひセットで前回記事を読んでください!
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